は じ め に
 質屋ではお客様がお持ちになった品物をいくらぐらいの価値があるか査定するわけですが、その仕事の上で多くのニセモノを発見することがあります。現在、時計やバッグなどブランド品を中心に多くのニセモノが出回っていますが、こうした品物は、個人で持って楽しむだけでしたらともかく、売却したり質屋に質入れするとなると、それが本物として入れれば詐欺罪にもなりえる行為です。質店の方でも犯罪を未然に防止する観点から真贋の鑑定は重要な仕事になります。このページでは誰でもわかりやすい真贋の判定方法を公開したいと思いますが、あまり具体的に記載しまと、ニセモノを製造する業者がこれを見て、改良してくる場合も考えられます。ですからここでは一般的な事だけを列挙させて頂きます。






貴金属製品の真贋鑑定

 貴金属製品のニセモノは銀や鉛などで作った品物をメッキしているモノがほとんどです。そのためニセモノは軽く本物の方が重たいので手に持っただけである程度分かります。もちろん体積が大きければ重さも違うわけですから1立方メートル当たりの重さ=比重で真贋の鑑定をする必要があります。
 ここでは家庭でも出来る貴金属製品の真贋鑑定の仕方をご紹介いたします。近頃の質屋ではこの方法はあまりやりませんが、基本として覚えておくと役立ちます。
  1. 地金製品を電子ばかりなどを使って正確な重量を計り、記録します。(例 50.4g)
  2. 出来るだけ軽いコップに水を入れ、計量皿の上にそのコップを置き、その重さを計り、記録します。(例 30g)
  3. 次に地金製品を細い針金などでつなぎ、コップの底や側面などに触れないように、そっと水の中へ浸けてください。あまり沈めすぎないで、製品が全て水に浸かった時点での重量を記録しておきます。(例 33.3g)
  4. 3の数値から2の数値を引いた数値(例 33.3g-30g=3.3g )が、水中重量となります。
  5. 1の空中重量を4の水中重量で割った数値が比重値となります。
  6. つまり 50.4g ÷3.3g = 15.27 これを下記の表に当てはめると18金と言うことになります。
品名 含有率 銀割 銅割 銀銅割
K24 1000/1000 19.3
K22 916/1000 18.04 17.60 17.73
K20 835/1000 16.96 16.20 16.42
K18 750/1000 15.96 14.96 15.24
K14 585/1000 14.31 13.01 13.38
K10 417/1000 12.97 11.51 11.91
品名 含有率 比重値
Pt1000 1000/1000 21.45
Pt950 950/1000 20.64
Pt900 900/1000 19.88
Pt850 850/1000 19.18
補足:例えば18金の場合、全体の75% (750/1000)の金と残り25%に銀を混ぜるか、銅を混ぜるか、その両方を混ぜるかで色や比重が微妙に違ってきます。上記表の銀割、銅割というのはそのことで、日本ではおおむね銀銅割、ヨーロッパでは銀割が主流です。この微妙な色の違いを利用して3色リングなどが作られています。。


ダイヤ

 ダイヤは査定値段を出すときにじっくり見ます。とにかくじっくり見ることで真贋の鑑定もある程度出来ます。例えばダイヤは地上で一番固い鉱物ですので、面と面が折れたエッジはどんな鉱物よりも鋭角です。これが丸みを帯びているということはダイヤよりも柔らかい石だと言うことです。キュービックジルコニアやモアッサナイトもやはりダイヤより丸みを帯びたエッジになります。また、モアッサナイトは屈折率が違うためにダイヤ内部に見える写り込みの線が二重に見えることででダイヤではないことが分かると思います。
 また、ダイヤモンドセレクターという判定機機も発売されています。これはダイヤモンドの熱伝導率を判定する機会で、左のペン先のような突起をダイヤに接することでインジケーターの目盛りが上がり判別することが出来ます。


色石・宝石
現在製作中


時 計
ロレックスやカルティエなどブランド時計は、バッグなどと同様、多くのニセモノが流通しております。その多くが韓国などで作られる粗悪品ですが、中にはスーパーコピーと言われるような本物と区別が付かないほど精巧なモノも現れてきています。一つ一つのモデルについて真贋鑑定のポイントを公開するとニセモノを作る業者がその部分を改良してより精巧なニセモノを作ることに繋がりますので、ここでは一般的に本物とニセモノとの違い、注意点だけを記載いたします。ですから以下のポイントをクリアーしているからと言って本物だということは出来ません

素材が違います。
 一概には言えませんが、ニセモノと本物とは素材が違います。ロレックスの場合、素材にステンレススチール315というとても固い素材を使っているために安い時計とはキズの付き方が違います。またガラスもニセモノの場合高価なサファイヤクリスタルガラスは使わず普通のミネラルガラスを使っています。これを確認するためには上記ダイヤモンドセレクターで、ある程度確認できます。

 右の写真はスウォッチの細かいキズですが、このようにキズの付き方がロレックスとは違います。
形式上ありえないもの。
 右の写真はロレックスのコンビモデル・ボーイズタイプの文字盤に10ポイントのダイヤを配したモデル、Ref68273Gというモデルです。この時計は、ムーブメントの横にブレス留めの穴があいています。この穴は1992年以降のモデルではありません、ところが文字盤のダイヤの台座部の形はもっと後に作られた座布団形をしているため、矛盾が生じます。ただこの時計に関してはニセモノというより、本物の旧型・ダイヤ無しモデルに後から新型のダイヤを付けたものと思われます。
クロノグラフは作動するか?
 ロレックス・デイトナ、オメガ・スピードマスターのようなクロノグラフ機構のついた時計の場合、クロノボタンを押しても作動しないモノが多い。これはクロノグラフ機構はたいへん精密な機械のために安いニセモノにはあえてこの機械を使っていないものが多いのです。クロノグラフの秒針は文字盤上の小さな円の中にあって、ニセモノではセンター針をこのかわりに使っている場合が多いです。

文字盤の印字に注意!
 文字盤上にROLEX とか、OYSTERとか書かれている文字のことです。ニセモノはこれが厚みがなかったり掠れていたりするモノが多く見られます。



バッグ
現在製作中
バッグについては、どのブランドにも共通な鑑定ポイントは少なくなります。


故障・キズの鑑定
現在製作中
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